せっちも 徒然雑記

50代半ばの全然不惑じゃない道楽親父が、思い付いたことをただ徒然記するブログです。

ヘリテージ・デザインについての考察 adidas SL 72

 2014年からスタートした「adidas Spezial(スペツィアル)」、アディダスの長い歴史のなかに眠る膨大な資料を参考に、過去のレアモデルを中心にモダンな解釈でアイテムを復刻、ハイブリッドを行うスペシャルラインだそうです。

 その流れから現在のアディダスに於けるマーチャンダイジングの方向性の一つとして、ヘリテージ嗜好の強い復刻品が随時リリースされており、今回は「SL 72」と「SL 80」が 復刻発売されました。

 adidas SL 72

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 SLとはスーパーライト(超軽量)の略称で、“72”はミュンヘン・オリンピック開催年である1972年に由来し、その後のSL 76(モントリオール・オリンピック:1976年)、SL 80(モスクワ・オリンピック:1980年)へと続く人気シリーズとなります。

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 中でもSL 72のシンプルなデザインが好きなのですが、それ以上にミュンヘン・オリンピックというワードに特別な想いのあるスニーカーでもあります。

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 高校生の時の担任の先生が、レスリングでミュンヘン・オリンピックに出場した経歴のある体育の先生(ウルトラヘビー級で6位入賞しており、往年のプロレス選手で大ファンだった 同じミュンヘン・オリンピックに出場した 故ジャンボ鶴田選手の先輩にあたります。)で、自身がラグビー部に所属していたこともあって 随分手荒に可愛がって頂きました。w

 故 ジャンボ鶴田選手(2000年 5月 49歳没)

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 ウエイトトレーニング等でレスリング部室内の機材を借りに行くのですが、ある時ふざけて先生とのスパーリングを買って出たことがあり、あえなくヘッドロックを決められ、本物のヘッドロックとは ただ力任せで締め上げるのではなく 脳への血液の循環を止める急所を狙った恐ろしい技なんだと、遠退く意識の中で驚愕したことを鮮明に覚えています。ww

 ちょっと怖い先生でしたが、非常に面倒見が良く、又一つのことを極めた者にしか理解できないことや、オリンピック選手ならではの経験談を面白おかしく聞かせて下さり、それらは現在に至る迄の私の人生に於いて、非常に意義の有るものとして活かされ続けています。

 SL 72は私にとっては、その先生を想い返し 更にはある種の人生訓的オマージュとしての存在でもあるのです。

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 写真にお気付きの方もいるかと思いますが、SL 72にインソールを入れて有ります。

 70年代のスニーカーの為、クッション性能に限界があることから、100円ショップで販売されている薄目のカップインインソールを入れるだけでも、劇的に履き心地が良くなります。

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 実はSLシリーズに限らず、アッパーにナイロン素材を使用した、チーピー?な雰囲気のスニーカーも好きだったりするんです。w

 アラフィフを迎え 最近ではもっぱら膝痛などの予防からクッション性やフォールド感を重視していますが、軽いスニーカーってそれだけで心地が良いもので、アディダスのSLシリーズ、ナイキならコルテッツ、ニューバランスだったらM320あたりの 軽くて足元が小さくスッキリと見えるスニーカーを 30代から40代にかけて良く愛用し、価格も比較的リーズナブルなことから 気兼ねなくデイリーユースとして履き潰してきました。

 NIKE CORTEZ(1972〜)

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 New Balance M320(1976〜)

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 因みにSL 72を含め上記で紹介したスニーカー達は、アディダスのトレフォイル(三つ葉ロゴマーク)、ナイキのスウッシュ(三日月みたいなデザインのロゴマーク)、ニューバランスの“N”のロゴマークが、それぞれ初めて採用されたとされる記念すべきモデル達でもあり、70年台初頭の欧米企業間にみられた CI(コーポレート・アイデンティティ)の変革を象徴することに 大変興味を唆られます。

 又これら70年代にリリースされたスニーカー群は、衝撃吸収材などの素材開発が 充分ではなかった時代背景から、どのメーカーも軽さに重点を置いた商品企画がなされた時代でもあり、特にランニング用スニーカーの多くに見られる 軽量化の為に極限まで余計なものが削ぎ落とされたデザインに、スニーカーの本来あるべき姿を垣間見ることができると思います。

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 靴ってお洒落以前に、健全に歩く為の道具です。それがスニーカーなら尚更、科学的・物理的に 日常の「歩く」「走る」といった運動行為をサポートする存在であるべきです。

 したがってスニーカーの美しさとは機能美以外の何ものでもなく、歴代の名作と言われたスニーカー達は皆、その時代ごとに考え得る最高・最先端の技術や素材が導入され、生産・開発者(職人)などにより極限まで余計なものを削ぎ落とされ考え抜かれたデザイン、更にはその使用目的を最大限に考慮して作られてきたものだから、時を経ても普遍的な美しさを維持し、現在に至るまで ずっと変わらぬ人気を博してきたものと考えられます。

 まさしく常に速く走ることだけを追求し、その時代時代の最高水準のテクノロジーと、軽量化を図る上での最先端素材の導入、究極のエアロダイナミクスデザインの研究などが図られてきたが故に、クラシックカーと呼ばれる域に達した現代でも尚、眩しいばかりの光を放ち続けるフェラーリランボルギーニスーパーカー達に通ずる美しさや開発の歴史に裏付けされた付加価値の方向性が、同一線上にあると結論付けることができます。(ちょっと大袈裟?w)

 Ferrari 365GT4 BB(1973〜1981)

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 Lamborghini Miura P400S(1966〜1973)

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 ですからいくらヘリテージ・レトロなデザインのものが好きだといっても、安易な暫時的売上を目的とした懐古的コンセプトの基で、意図的にレトロなデザインや技術が採用され 商品化されたものには、スニーカーに限らず美しさを感じることができず、更に最近流行りのダッドスニーカー的な考え方は、そもそもネーミングからして残念ながら私には受け入れられません。(あれ?歳とった?w)

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 今回 少し早い自分へのクリスマスプレゼントとしてSL 72を購入しましたがw、これから更に寒さが厳しくなる季節では、暫くの間 デビューはお預けになりそうです。^ ^;

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 当面はブラッシングでもしながら眺めて過ごし、春が来て暖かくなったら 最初は何処に履いて行こうかなと、考えるだけでも充分楽しめちゃう 極めてリーズナブルな道楽オヤジのせっちもです。😙

-PS-

 記事を書きながら 今回紹介しましたNIKE CORTEZ、New Balance M320が、無性に欲しくなってしまいました。

 どーしよう この止まらない物欲‥😅(不惑不惑‥‥)

ほんとに‥本当に最後? world tour “End of the Road” KISS

 昨夜 往年のハードロックバンド KISSの、最後となるワールドツアー東京公演観演の為、東京ドームへ行って来ました。

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 KISSのコンサート自体は 中学生時代に当時小学生の弟と連れ立って行って以降 おそらく10回以上は行っていまして、嫁さんと娘を伴った家族での観演は これが2度目となり、1度目が 奇しくも娘が私と同年齢となる中学生の時で、今回のチケット確保に際しても 二人で協力して奔走したことなどから、このミーハー気質が 確実に受け継がれていることを確信するに至りました。w

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 この日の後楽園は、私と同世代 又はそれ以上のロックおじさん ロックおばさんで溢れ返り異様な雰囲気で、道ゆく人や駅などで家路に向かう人々の視線が凄いことになってました。w

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 会場周辺では早くもメーキャップやコスプレをしてきたファンが記念撮影に応じるなど、ファン同士の交流が至る所で見られ、これもKISSのコンサート特有の光景です。

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 グッズ売り場は長蛇の例で2時間待ちであったことから帰り際にと考えましたが、やはり同じく2時間待ちということで、残念ながら今回は諦めざるを得ませんでした。

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 上の写真のように、私がとっているポーズのサインをメロイックサイン(コルナ)といいますが、オリジナルとはちょっと違って(オリジナルは親指を立てません。)KISSのジーン・シモンズが、独自にアレンジ考案したものと云われており、その意味は「I Love You.」になります。(人差し指で“I” 人差し指と親指で“L” 人差し指と小指で“Y”を表します。)

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 今でも思い出したように 時折運転中に聴いていますが、シンプルでストレートなコード進行の楽曲は 聴き込む程に癖になり、嫁さんと娘も今では生粋のキッス・アーミー(KISSの公式ファンクラブ、又はファンの呼称)気取りです。w

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 洋楽ファンの間では、あのド派手なメーキャップとコスチューム、大掛かりなステージセット、火を吹いたりギターを壊したりのパフォーマンスばかりにクローズアップされた評価から 兎角キワモノ扱いされがちですがw、1973年のデビューから46年以上にも渡り 常に第一線で活躍してきたそのキャリアは、高いレベルでの音楽的資質抜きでは説明できないと思います。

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 開演前のアリーナの風景ですが、大半のファン(ロック世代のおじさん・おばさん)は、直前まで席に着くことなく あちこちで盛り上がっていました。

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 KISSが日本で知られるようになった当時ですと、昨年話題になった映画「ボヘミアン・ラプソディ」のクイーンを始め、レッドツェッペリンやディープパープル、レインボー、アメリカンロックではシカゴやイーグルス、ドゥービーブラザーズ、ボストン等々‥本格的実力派のロックバンドやアーティストが多く排出された時代でもあり、KISSが好きで良く聴いていますとは、ちょっと恥ずかしくてカミングアウトできない時期でもありました。w

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 デビュー当初は ライブこそ多くの聴衆を集めるもののレコードは売れず、正にライブバンドとして位置付けられますが、ライブアルバム「Alive!」の空前の大ヒットを契機に、実力派ハードロックバンドとしての地位を築くことになり、それまで軽視されがちだったライブアルバムの商品価値を 一気に高めるにことになったエピソードも、KISSの数ある功績の一つとして現在では評価されています。

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 ちなみにプラチナムアルバムは11回受賞し、その内の2つがライブアルバムという快挙を成し遂げ、現在迄のシングル及びアルバムの総売上数が1億1000万枚に達するそうで、中心メンバーのジーン・シモンズとポール・スタンレーにあっては、本国米国で そろって長者番付に名前を連ねるなど、私達日本人の想像を遥かに凌ぐ成功と社会的地位を築くに至っています。

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 同じようにレコードは余り売れないけど?、コンサートは毎回ソールドアウトなどと評され、ライブ活動に重点を置いているバンドに、あの有名なローリング・ストーンズがありますが、音楽の嗜好 方向性こそ違いがあるものの、楽曲はいずれのバンドも シンプルでストレート、短調なリズム(チャーリー・ワッツは大好きで、本当にカッコいいビートとブラシ捌きは鳥肌モノです。)であり、それがライブでは聴衆にとってリズムに乗り易く 一定のビートに身体を委ねることでアドレナリン効果のようなものが得やすくなるのかも知れません。

 Charlie Watts・The Rolling Stones

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 何よりどちらのバンドも 決めポーズやギターの構え方 ちょっとした仕草など全てに於いて、カッコ良さのツボを知り尽くしているんですね。🤨

  Ron Wood & Keith Richards・The Rolling Stones

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 日本でも多くのアーティストやバンドが KISSの影響を受けており、有名なところではTHE ALFEEX JAPANがあり、聖飢魔IIにいたっては コピーバンドさながらの様相でした。

 Gene Simmons

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 KISSのコンサートに一度でも行ったことがある方なら ご理解頂けると思いますが、もうとにかく特別なんです!

 Paul Stanley

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 まさしくお祭り騒ぎで 開演前からメーキャップやコスプレをして来場した人達が盛り上げてくれ、家族 子連れ 親子三世代で来ている方なども珍しくなく、コンサートタイトルに「カーニバル」や「サーカス」などのフレーズが付くことが多いのですが、正にそのまんまで その場に居る大人から子供まで、世代を超えた全ての人が、何も考えず思いっ切り楽しめる一大イベントなんです。

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 Tommy Thayer

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 中心メンバーはもちろん 歴代のメンバーに生粋のニューヨーカーが多いことから、都会的でブロードウェイの影響から極限までショーアップされた そのステージパフォーマンスは、爆音を伴った花火や火を使った演出、ドラムセットやパフォーマーのリフトアップ、ギターが燃えたり 先から火弾が発射され照明にあたって落下させたり、フライングパフォーマンスに至ってはステージセットの枠外にまで及ぶなど、これらの演出って そのほとんどがKISSが最初に取り入れ 又は発展させてきました。ミラーボールですらも、コンサートに持ち込み使用したのは KISSが初めてですからね!

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 Eric Singer

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 今回はサプライズでX JAPANYOSHIKI氏が飛び入り参加し、アンコールメニューの名曲“ベス”のピアノと“ロックンロール・オールナイト”でのドラムを披露してくれ、会場は興奮の坩堝と化しました。

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 コンサート開演前のなんともいえないワクワク感と、終演後の祭りの後に似た寂しい喪失感って、何度味わっても良いですよねー。w

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 コンサートを楽しみに日頃の仕事を頑張る人や、子供や孫 家族との楽しい時間を共有しようとする人、アメリカ国民としての誇りや喜びを投影する人など、KISSのコンサートに対する様々な想いが 色んな媒体で紹介されるなど、今や本国アメリカでは国民的ロックバンドで、2014年にはロックの殿堂入りも果たしており、キワモノとか単純なコード進行で‥などと揶揄される中での成功は、自分達が信じたスタイルを貫き続けてきた結果であり、まさしく「継続は力なり」を身をもって証明したバンドでもあると思います。

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 中心メンバーのジーン・シモンズとポール・スタンレーが、アラセブと呼ばれる年齢に達することから 最後のワールドツアーとなりましたが、きっといつの日にか復活ツアー公演があることを信じています。

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 だって「破壊神(悪魔)」「愛の化身(スターチャイルド)」「ジェンダル星から来た宇宙人」「猫の怪人」って、メンバーみんな人間じゃありませんから(爆😁

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 終演後 家族三人で 遅い夕食を居酒屋で取りながら、コンサートやKISSについての尽きることのない会話・談笑に、いつの日にか孫を交えて こんな日を迎えられたら良いなと ひっそり想うせっちもでした。😌

-P.S-

 KISSのビジネスモデルって、もっと評価されても良いと考えています。

 計画的ターゲットマーケティングとその拡大手法、ショービジネスに於けるカスタマー心理の誘致、リピーターの確保等々、計算され尽くされたマーチャンダイジングは、是非誰か本にしても良いのかなと思います。(もし既にあったら教えて下さい。)

 そのうち気が向いたら、私見としての解説をアップしてみますね。^ ^ b

-2019.12.15 追記-

 昨日 当ブログを観て記念グッズが購入できなかったことを知った大学時代の友人で音楽業界に従事するK君から、KISSワールドツアー記念バンダナが送られて来ました。

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 K君によると、こんなところにもテンバイヤーの影響が出ていたそうです。

 あの寒い中、方や大いに盛り上がって楽しんでいるファン達を他所目に‥ 余りにも寂しい人達です‥

 いずれにしても 私以上に嫁さんと娘が大喜びで、夕食を取りながら 再びコンサートの話題で盛り上がりました❗️

 持つべきは良き友人ですねー! ホント感謝 感謝です。😄

The 一生モノ! part2 RED WING・IRISH SETTER 875

 “一生モノ”シリーズ第2段です。w

 前回のA-2フライトジャケットときたら、やっぱりレッドウイングのワークブーツを取り上げないワケにはいきませんよね。^ ^ b

  RED WING・IRISH SETTER 875

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 こちらのレッドウイングのワークブーツアイリッシュセッター は1996年製の物で、右のシュータン表だけに付けられた通称「半円犬タグ」と脇に製造年が刻印されており、1990年初頭から中頃にかけて僅かに施された大変希少なものだそうです。

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 前回紹介したA-2フライトジャケットをメンテナンスする過程で、補色材を探しに 船橋の“ららぽーと”内にある東急ハンズに行ったところ、いつの間にか靴修理コーナーが設けられており、その本格的な機材の充実さに 帰宅後すぐにネットで検索してみたら、ワークブーツの修理もして頂けることが判りました。

 何故かワクワクしながらw、A-2のメンテナンス終了後すぐに このレッドウイングの手入れに取り掛かり 1週間後には擦り減ったソールの張り替えを依頼する為、再びららぽーとに向かったのでした。

 店頭に着いた時、先に私と同世代くらいの外国(白人男性)のお客さんが奥様と思われる日本人女性を伴って 修理に出していた黒色プレーントゥの短靴を引き取りに来ており、蘇った愛靴に二人で喜んでいる姿を見て  欧米の方の靴に対する意識の高さ、靴文化と歴史の深さを感じ入ることができたことは幸いでした。

 その喜ぶ様から 安心して修理を依頼できることを確信し、改めて手入れを施してからブーツを持ち込んだことに安堵しました。

 すっかり心を許して(舞い上がって?w)しまったせいか、応対して頂いた店員さんには 失礼ながら矢継ぎ早に色々質問してしまいましたが、そのひとつひとつに親切丁寧でわかりやすい説明などから、本当に心底靴が好きな方なんだなぁと感心させられました。

 店員さんに相談しアドバイスを受けた結果、今回はレッドウイング純正よりも擦過摩耗に強いと思われるビブラム社製のソールを選択しました。

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 仕上がりはオリジナルのソールの白色とは異なり サンド色(アイボリー)で、履き込んで経年劣化の著しい当該ブーツにはピッタリで大変満足しており、店員さんの見立てに感服した次第です。

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 以下のリンク先に修理前との比較を見ることができます。

https://funabasihands.tamaliver.jp/e470169.html

 875という品番はアッパーのデザインがプレーントゥとは違って、革をつなぎ合わせてあるモックトゥと呼ばれるもので、6インチブーツ(アイレットが縦に7つ)になり、アイリッシュセッターはオロラセットと呼ばれるなめし革で作られたものを指します。

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 履き込み手入れを重ね 経年する程に味わいが出て 革が独特の赤茶色に変色し、あたかも猟犬アイリッシュセッターの毛並みのようであることから名付けられたそうです。

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 また独特のトラクショントレッドソール(クレープソール)は、狩猟の際に足音を立てないように考案されたものだそうで、結果的には軽量化に繋がり疲れにくいことから 狩猟以外にもニーズが拡大し、ワークブーツとして圧倒的な人気を博していくことになります。

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 日本人的発想では 足音よりはどんな悪条件でも滑らないソールを優先しそうですけど、そんなところにも国民性や価値観、生活環境の相違などを垣間見ることができることは大変面白いと思います。

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 シューレースの処理ですが、紐の通し方は通常はオーバーラップで気分でパラレルラップにし、長年ワークブーツを履いてきた経験から、最後のアイレット2つでヒールロック結びにしてあります。理由は最後のアイレットまで きちんと紐を通すことでブーツのシルエットを維持したいことと、履着時に不意に紐が解けてしまうことを防止すること、そして通常の位置で結ぶと抵って痛い結び目の箇所が、数ミリ下げるだけで劇的に改善することからです。

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 私のブログに幾度も出てくる映画のタイトルで恐縮ですが、ジャック・ニコルソン主演 ミロス・フォアマン監督作品「カッコーの巣の上で」(1975年・アカデミー賞5部門受賞 )を 有楽町のみゆき座へ 中学2年生の時に一人で観に行き、生まれて初めて映画で泣いてしまうなど、私にとっては ある意味 ターニングポイントとなった映画です。記憶が正しければ 前回ご紹介したジーン・ワイルダーもブロードウェイでの舞台劇で演じたことがあった筈です。

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 脱線しますがw、上の写真に見られるように この映画でのジャック・ニコルソンは、Live's 501をノンベルトで着用しており 私もずっと真似をしていましたが、大学時代にリリースされたブルース・スプリングスティーンの「BORN IN THE U.S.A.」のアルバムジャケットに感化されて以降は ちゃっかりベルトをするようになりました。😚

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 映画の内容に関しては、これからご覧になる方のためにも詳しくは書きませんが、何度も観返し(当時は入れ替え制はなく、ずっと映画館に居ることが可能だった為 3回連続で観ました。)衝撃的な最後のシーンを観るたびに、そこに至る過去のシーンとの視覚的対比として、さりげなくレッドウイングのワークブーツを使った印象的 象徴的な演出は、さすがは映像派の巨匠ミロス・フォアマン監督と評価できると思います。

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 おふざけで撮影してみました。(怖っw)

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 ※ 撮影協力・KEKORIN(嫁)

 “カッコーの巣の上で”の影響を直に受けた私は、映画さながらの真似をしたコーデをするようになり、大学時代の友人達には 今でも「知り合った当時のお前は いつも山登りに行くような格好で、一緒にいて恥ずかしかったぞ。」と云われています。w

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 そんなこんなで、A-2フライトジャケットとLevi's 501、そしてレッドウイングのワークブーツ‥‥私なりのアイデンティティであり、これらの「一生モノ」達と これからも末永く付き合っていくんだろうなと、記事を書きながら想いを馳せるせっちもでした。😌

ジーン・ワイルダーとスティービー・ワンダー

 ジーン・ワイルダーという俳優をご存知でしょうか?

 ハリウッドを代表する喜劇俳優です。

 Gene Wilder

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 かの喜劇映画の巨匠メル・ブルックス監督の映画に数多く出演しており、大好きな俳優の一人ですが、惜しくも2016年8月に83歳でその生涯を終えられています。

 初めてジーン・ワイルダーを知ったのは メル・ブルックス監督作品「ヤング・フランケンシュタイン」で、本家フランケンシュタイン博士の曽孫の脳外科医が、曾祖父の名誉回復の為に同じく死者を蘇らせモンスターを作り出すといった内容で、設定からしてワクワクしちゃうような映画でした。

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 それからもメル・ブルックスジーン・ワイルダーの作品を数多く観てきましたが、なかなか日本では喜劇ということもあって高い評価が得られず、口惜しい想いをしたものでした。

 特に「大陸横断超特急」という映画が大好きで、監督はあのアーサー・ヒラー 音楽はヘンリー・マンシーニといった超豪華な製作陣での ジーン・ワイルダー主演のスペクタル・サスペンス・ドタバタコメディですが、公開時は本物の列車を駅に突っ込ませるシーンにのみクローズアップした、あたかも当時流行りのパニック・スペクタル映画をイメージさせるプロモーション(広告戦略としては映画の魅力がまったく伝えられず、邦国での興行は失敗だったと思います。)でしたが、内容は至ってコメディ・娯楽性が強く、脚本・編集が素晴らしい為、最後の駅に列車が突っ込むシーンなんてオマケみたいなものでした。(アーサー・ヒラー監督のwikiには、代表作として上位に記載されるくらいアメリカでは大ヒットしています。)

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 そもそも主役がスティーブ・マックイーンだったらギリギリで停車させるんでしょうけど、ジーン・ワイルダーですからw、あれこれまごついているうちに突っ込んじゃったってオチですしね。ww

 そんなジーン・ワイルダーの監督・主演作品で「The Woman in Red」という日本未公開の作品があります。

 なぜ日本で劇場上映しなかったのか、当時は配給会社の感性を疑い 大いに憤慨したものでした。

 この「The Woman in Red」のサウンドトラックは、あのスティービー・ワンダーの全曲書き下ろしで、ディオンヌ・ワーウィックとのデュエット曲まであるサントラとは思えない超豪華なアルバムです。

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 更には名曲「心の愛」(I Just Called to Say I Love You)が、このアルバムで収録リリースされたにも関わらず、サントラであることから 当初はこの曲の認知度が極めて低く、一般に知れ渡るまでに随分時間を要すこととなり、アカデミー歌曲賞ゴールデングローブ賞まで授賞されたのに、相変わらず配給・劇場公開無しと、すべてに於いてお粗末なプロモーションに愕然としたものです。

 私の敬愛するジーン・ワイルダーと、同じく中学1年生の時に人生初になる洋楽のレコード(愛するデューク・SP盤)を購入するくらい大好きなスティービー・ワンダーの夢のコラボなのに‥‥今考えても悔しいです!

 で、サントラ盤「The Woman In Red」ですがw、意外に知られていない名盤なんです。

 流石はスティービー・ワンダーと唸らされるくらいの名曲ばかりで駄作が一切無し! 映画の方もずっと経ってからDVDで観賞し期待通りでしたが、やはりスティービー・ワンダーの方がここは一枚上手かなと思わせる完成度です。

 映画のロマンティックコメディに合わせた構成ですが、全体的にはクリスマスソングが一切ないにも関わらず この時期にピッタリの心に染みるアルバムです。

 毎年クリスマスが近くなるにつれ、何故か聴きたくなって車にCDを持ち込んでいます。(今はiPhoneですね。)

 先日も車内で聴いていたところ娘から好評だったことから、もっとこのアルバムの良さを広く知って貰いたくて記事にしてみました。

 しかし今思い起こしても本当に‥悔しいです❗️(ザ・ブングル風 古っw)

The 一生モノ! A-2 flight jacket・Insignia Leather Co.

 昨年辺りからまたMA-1などに代表されるフライトジャケットが店頭に並び始め、改めて流行には周期的なものがあることを感じていましたが、ふと思い立ち30年くらい前に手に入れたA-2ジャケットを引っ張り出してみました。

 type A-2 flight jacket:Insignia Leather Co.

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 約10年ぶりに袖を通すために 先ずは定番のミンクオイルを施しましたが、経年劣化による色褪せが おじさんにとってはちょっとワイルド過ぎることからw、今回は補色剤でのメンテナンスもしてみました。

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 こちらのA-2ジャケットは、米国インシグニア社製のホースハイド(馬革)のもので、自身では2着目(1着目はウイルス&ガイガー社製)になります。

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 A-2ジャケットは熱心なコレクターが多く 俳優の山下真司さんなどが有名で、現在では日本のいくつかのメーカーにより高品質で忠実に復刻された商品が製造販売され人気を博しています。

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 しかしホースハイドとなると 革が身体に馴染み 味わいが出る迄には長い年月を要することから、手入れをしながらも まもなく60に手が届く年齢では 改めて新しい物を誂え 更に着込んで身体に馴染ませていくなどのことは、はたして時間的に無理があるのではないかと考えてしまい、一着を大切に手入れ 修理しながら生涯を通して自分だけのモノに仕立てていく まさしく本当の“一生モノ”なんだなぁと痛感した次第です。

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 以前の記事にも書きましたが、A-2ジャケットは古い洋画に良く登場し、有名なところでは「大脱走」のスティーブ・マックイーンや「カッコーの巣の上で」のジャック・ニコルソンが劇中で身に纏っており 私も多大に影響を受けましたが、なかなかマックイーンのようにカッコよくってわけにはいきません。😓

 「大脱走」:スティーブ・マックイーン

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 話題が逸れますが、今夏に封切られたクエンティン・タランティーノ監督作品「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の劇中で、スティーブ・マックイーン(そっくりな俳優が演じています。)がオマージュ的に出てくるシーンがあり、 私的にツボにハマり思わず爆笑してしまい、隣の嫁さんから冷たい視線を浴びてしまいました。w

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 上の写真は、先日横浜の赤レンガ倉庫へ 娘の買い物に付き合わされた時に撮影したものです。(まるっきり不審者?^ ^;)

 買い物の最中に私が着ていたA-2に気付いたショップのお兄さんから、「革もの好きなんですね」と声をかけられ、敏感に察知した嫁さんと娘にはサッサと逃げられてしまい 危うく革ジャンを購入させられかけてしまいました。w(でも本当に良い革ジャンだったなぁ‥)

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 ※ 撮影協力・TAMACHAN(娘)

 更には撮影した写真を見て 締まりのないお腹の出具合に唖然とする始末です。😱

 A-2をカッコよく着こなす為には 身体づくりが不可欠であることに改めて気付かされ、いつまでもA-2が似合うカッコいいおじいさんを目指そうと心に誓うせっちもでしたが、果たしてこのモチベーション‥いつまで維持できるんでしょうか?ww

-P.S-

 今回記事を書くにあたりネットで色々調べたところ、私と同様に上記で挙げた映画に影響を受けてA-2を所持している方が非常に多いことに驚いています。

 昨今の映画が極めて商業的で娯楽性の強い傾向にありますが、1950年代フランス映画のヌーヴェルヴァーグに始まり、70年代のアメリカ映画に於けるニューシネマに至る迄の 映画界を取り巻く世界的なムーブメントが及ぼした文化的、社会的、更には思想的影響力の大きさを改めて感じ入ることとなり、是非少しでも多くの若い世代の人達にも この時代の映画に触れて、当時の感性・感覚を享受して貰えたら良いなと想っています。

一番の自慢だった‥‥ adidas SKATE made in france

 ずっと探しているスニーカーがあります。

 大学生の頃にアメ横の古着屋 ビートニクスで見つけて一瞬で虜になってしまったスニーカー。

 もう現行モデルにはなく、80年代にフランスで生産されたスニーカー‥‥その名はスケート!

 adidas SKATE made in france 

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 今でこそアディダスのサイトショップなどに、様々な形でスケートボーダー用のスニーカーがラインナップされています。

 しかしその殆どが、スタンスミスやスーパースター、キャンパス、ガゼルなどをベースに亜種的に生産されたものか、ネーミングがスケートボーディングとなっていて、ストリートカルチャーに合わせた味付け(デザイン)が施されたシリーズで、私が探しているものは独自に企画デザインされており、当時では珍しいスケートボーダー向けであると思われますが、表記がシュータン部に「SKATE」とだけ印字されたものです。

 上記写真はネットでやっと探し出したものですが、明らかに現行モデルにはないデザインです。

 写真ではわかりにくいですが、白地に施されていた赤が、若干蛍光かかったオレンジ色に近い赤色(朱色といった方が近いかも知れません。)で、異彩を放っています。

 目が覚めるようなこの赤色が、まさしくフランスの色彩感覚を表しており、まず日本やアメリカでは見かけない色なんです。

 前回 私がディスプレイ業界に従事していたことを書きましたが、その契機は学生時代にアルバイト先で知り合った先輩に影響を受けて、広告関係の仕事を志すようになります。

 特にセールスプロモーション(SP)の世界に興味を持ち、店舗SPとしてディスプレイ業界に自身の進路を見出しました。

 専攻外でしたので独学で勉強を始め、その時も色彩感覚が国によって差異があることを学んだばかりでした。

 以前ソフトバンクが、PANTONEシリーズとして、カラフルな色彩の携帯電話を売り出したことがありますが、パントーンとは、フランスの「色」を開発している企業のことで、日本の大日本インキ(DIC)に相当し、私達日本人的な色彩感覚では、パントーンの各色サンプルの多くが中間色(パステルトーン)に見えるなど、明らかな感覚的差異があります。

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 同じアディダスでも 今ではその多くがビンテージ品として扱われているフランス製の個体に於いて、その配色された色彩に同様の微妙な差異が認められ、特に赤色にその傾向は顕著であると思います。

 しかしこれはフランス製に限らず アディダスのように、その時代ごとで世界中で生産されてきたものは、復刻する度に色味が違ってしまうことも、生産国国民の色彩感覚を知る上で興味をそそられます。

 前回紹介しましたアディダス ローマも、学生時代に購入したものはユーゴスラビア製で、今回新たに購入したものとは まるっきり別の個体であると考えた方が自然であり、コレクターとしての楽しみも倍増するような気がします。

 話が逸れました。w

 そのような最中に このSKATEと出会い、その目が覚めるような独特の赤色に魅せられてしまったことに、運命のようなものを感じたものでした。

 ビンテージ品などではなく、おそらく日本で正規販売されず販路のなかった当該品を、フランスで買い付けて店頭に並べたものと思われます。

 価格は当時のスニーカーとしては、古着屋に並ぶコンバースのビンテージ品と同等(ワンスターだけは別格で当時中古でも5万円くらいはしました。)くらいで、2万円を超える価格設定でした。

 学生にとっては高額ですし、今から30年以上も前のことですから、まさしく清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入したことを記憶しています。

 当時の私は 国内で何人も所有していないだろうSKATEを履いて、得意満面に意気揚々と街に出掛けていました。^ ^;

 思惑どおりw 友人や古着屋の店員さんなどは、この赤色に気付いて問い掛けてくることが多く、私の人生の中でも一番の自慢のスニーカーであったことは間違いありません。

 結局はボロボロになるまで履き潰してしまいましたが、惜しいことをしたと今でも時折思い出しては悔やんでいます。

 極めてマイナーなスニーカーですから復刻なんて期待できませんし、仮にしたとしてもあの赤色が再現できるとも思えません。

 でも当時の懐かしい思い出として せめて写真だけでもと考え、ずっとネット上で探していたのですが、現在迄に探し当てたのは なんと上記の写真を含めてわずかに2枚だけです。

 最初に探し当てた写真は、熱心なコレクターの方が紹介記事をアップしたもので もっと鮮明な写真だったのですが、その後サイトが閉鎖されてしまい、画像保存をしていなかったことを悔やみ、その後も現在に至るまでずっと探し続けて、やっとの想いで冒頭の写真を、終了したオークション画像から見つけ出したことが、今回の記事を書く契機となりました。

 昔はスニーカーコレクターというと、アディダスコレクターを指すことが多く、芸能界では 故 鈴木ヒロミツ氏(グループサウンズ時代に活躍し、古着コレクターでもあり、アメカジに於けるファッションリーダー的な存在でした。)が有名でした。

 アディダスは世界中で独自の企画で生産されたレアなスニーカーが多く、私自身も20代の頃 香港でちょっと紛いものっぽい珍しいエアロビクス用のスニーカーを見つけて購入した経験がありますが、本題のSKATEもきっとそのような位置付けのスニーカーだったのだと思います。

 人にとって色彩が如何に影響を及ぼし、更には文化・国民性の構成要素になり得るかということに想いを馳せ、以上 私の青春時代のスニーカーにまつわる思い出話でした。😌

-2020.2.9 追記-

 インスタグラムで、海外のコレクターの方がアップした画像を見つけました。

 興味のある方は是非“diggerdas”で検索してみてください。

 改めて白地に赤のラインを施したスニーカーでは、アディダスは元より過去に生産された全てのメーカーのスニーカーの中でも、圧倒的なデザインバランスを有する秀作であると思います。

マニア心をくすぐる! adidas ROM

 実際にあった話です。

 今から30年以上も前の社会人1年目の年の暮れ、当時 私はディスプレイ業界にて営業職として従事しており、その時も 東京は銀座にある小松ストア(現ギンザコマツ)の クリスマスツリーの施工現場に立ち会っていました。

 当時の小松ストアは 例年日本で一番最初に 正面吹き抜け2階天井部に達する程の(現在は吹き抜けはありません。)大きなクリスマスツリーを装飾することで知られており、施工は夜を徹して行われ 早朝の竣工時には 各マスコミで報道されるなど、ディズニーランド ワールドバザールの巨大クリスマスツリー(こちらも当時の会社で受注していました。)と並ぶ程の話題性がありました。

 施工中 上司やデサイナーを含めた数名で ショーウインドウが面した中央通りの歩道に立ち、工事課職員や職人さん達の作業工程を見ていたところ、ふと通りかかった女の子二人組に 声をかけられたのです。

「そのカントリー、何処で買ったんですか?」

 実は 私が履いていたのは、アディダス  カントリーではなく、アディダス ローマだったのですが、形状が似ていることから 白地に青の線の 珍しいカントリーだと思い 声を掛けてきたらしいのです。

 突然のことに戸惑いながらも まんざらでもない私は、これがカントリーではないこと、現在(その当時)日本では入手が困難なこと、購入した古着屋さんの所在地などを 親切丁寧に説明し、女の子二人組は 私に深々と礼を告げて、夜の銀座の雑踏の中に消えていったのでした。

 その一部始終を見ていた上司達からは、「それってそんなに凄い靴なのか?」などと詰られ、翌日には会社中で話題になっていました。

 当時の私は古着を中心としたコーデをすることが多かったのですが、古着ブームが来る少し前であったことから、会社では いつも汚い格好(普段はスーツですが、現場がある日は普段着で出社していました。)をしている程度の評価だったのです。

 しかしそれが契機となって一気に株が上がり、特にデザイナーやプランナーなどのソフト部門の同僚・先輩から一目置かれるようになったのでした。^ ^ v

 ちょっと自慢話w になってしまいましたが、そんなこんなでローマは思い出深いスニーカーなんです。

 adidas ROM

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 私にとって、アディダスではカントリーと並ぶ二大定番スニーカーです。

 ROMとの表記でローマと読みますが、何故か航空業界の空港コード(通称:スリーコード)が使用されています。

 アディダスの都市シリーズの中でも、おそらく一番のヒット商品です。

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 ほぼ同じ形状・仕様で白地に赤のラインを施したビエンナ(ウィーン)という商品もありますが、日本では往年のサッカー選手 皇帝ベッケンバウアーが、トレーニング用に採用したことから 圧倒的にローマの方に人気があります。

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 以前にも記載しましたが、シューレースはニューバランスで販売されているものに交換してあります。上の写真は敢えて標準で付属しているシューレースで撮影しましたが、どうもアディダス商品の標準シューレースが 長すぎ、更に“パンツのゴム紐”に見えてしまうのですが、今の若い人にはわかりづらいらしくジェネレーションギャップを感じます。ww

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 カントリーと比較してみると確かに似ていますが、カントリーの方はクロスカントリー・ランニング用とデザインに明確な方向性が見られ、一方ローマは多目的な使用を考えて作られており、それは履き心地にも差異が生じて カントリーよりも若干ルーズで楽な印象があります。

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 如何でしょう?カントリーの時に書いたスニーカーの色に関する私見について、このように並べてみることで多少はご理解頂けるのではないでしょうか?^ ^;

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 至って普通な佇まい、 体育館シューズみたいだしw、でもこの普通の感じを程よく醸し出すスニーカーって、意外にもなかなか無いのです。

 普通すぎて他人から評価されることが少ない、しかし解っている人は解ってくれ 時々だけど自尊心をくすぐられる、なんとも嫌らしいマニア心理を突くアイテムです。w

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 今年アディダス日本法人から復刻発売されましたが、何故かオリジナル色のロイヤルブルーではなく、カントリーに似たグリーンを配色したものとベージュの2種でした。

 ちなみにグリーンを配色したローマには 西ドイツ警察で採用され有名になったという経歴があり、それ以外にも幾つかの色違いのものが 様々なシチュエーションで採用され人気を博すなどの逸話を持つ面白いスニーカーですので、是非ネットなどで調べてみるのも面白いと思いますよ。

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 しかし私にとってのローマは、依然としてブルー一択ですのでw、今回は海外では復刻発売されていたロイヤルブルーの並行輸入品を購入するに至りました。

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 未だこのローマを履いてアディダスショップに行っていませんが、そんな嫌らしいことは流石の私でもちょっと戸惑いますよねー^ ^;

 って多分そのうち行くんだろうなぁと考えるだけでワクワクする小市民なせっちもでした。www

 

PS(2020.7)

 先日ついに幕張イオンモールにあるアディダスショップに履いて行きました。

 意識して履いていったわけではなかったのですが、かみさんと2人で立ち寄り 店頭にあったサンバを手に取って見ていたところ、ショップのお兄さんから「サンバ良いですよねー僕も好きです‥‥良いシューズ履いてますね!」と声をかけられ、はっ!とローマを履いていたことに気付かされました。

 かみさんからは「今日のノルマ達成だね!」とからかわれてしまい、そんな意識がなかっただけに、ちょっと気恥ずかしさを感じてしまいました。

 この青のローマってそれ以外にも、出張先で立ち寄った札幌市内のカジュアルなバーで、バーテンさんに気付かれ、居合わせた他のお客さんを含めて会話が盛り上がるなど、同じような経験を幾度も‥、ほんとうに街中で声をかけられることが多いんです。

 嬉しいような‥照れくさいような‥不思議なスニーカーです。