せっちも 徒然雑記

50代半ばの全然不惑じゃない道楽親父が、思い付いたことをただ徒然記するブログです。

マニア心をくすぐる! adidas ROM

 実際にあった話です。

 今から30年以上も前の社会人1年目の年の暮れ、当時 私はディスプレイ業界にて営業職として従事しており、その時も 東京は銀座にある小松ストア(現ギンザコマツ)の クリスマスツリーの施工現場に立ち会っていました。

 当時の小松ストアは 例年日本で一番最初に 正面吹き抜け2階天井部に達する程の(現在は吹き抜けはありません。)大きなクリスマスツリーを装飾することで知られており、施工は夜を徹して行われ 早朝の竣工時には 各マスコミで報道されるなど、ディズニーランド ワールドバザールの巨大クリスマスツリー(こちらも当時の会社で受注していました。)と並ぶ程の話題性がありました。

 施工中 上司やデサイナーを含めた数名で ショーウインドウが面した中央通りの歩道に立ち、工事課職員や職人さん達の作業工程を見ていたところ、ふと通りかかった女の子二人組に 声をかけられたのです。

「そのカントリー、何処で買ったんですか?」

 実は 私が履いていたのは、アディダス  カントリーではなく、アディダス ローマだったのですが、形状が似ていることから 白地に青の線の 珍しいカントリーだと思い 声を掛けてきたらしいのです。

 突然のことに戸惑いながらも まんざらでもない私は、これがカントリーではないこと、現在(その当時)日本では入手が困難なこと、購入した古着屋さんの所在地などを 親切丁寧に説明し、女の子二人組は 私に深々と礼を告げて、夜の銀座の雑踏の中に消えていったのでした。

 その一部始終を見ていた上司達からは、「それってそんなに凄い靴なのか?」などと詰られ、翌日には会社中で話題になっていました。

 当時の私は古着を中心としたコーデをすることが多かったのですが、古着ブームが来る少し前であったことから、会社では いつも汚い格好(普段はスーツですが、現場がある日は普段着で出社していました。)をしている程度の評価だったのです。

 しかしそれが契機となって一気に株が上がり、特にデザイナーやプランナーなどのソフト部門の同僚・先輩から一目置かれるようになったのでした。^ ^ v

 ちょっと自慢話w になってしまいましたが、そんなこんなでローマは思い出深いスニーカーなんです。

 adidas ROM

f:id:sechimo_getao:20191104141136j:image

 私にとって、アディダスではカントリーと並ぶ二大定番スニーカーです。

 ROMとの表記でローマと読みますが、何故か航空業界の空港コード(通称:スリーコード)が使用されています。

 アディダスの都市シリーズの中でも、おそらく一番のヒット商品です。

f:id:sechimo_getao:20191104141212j:image

 ほぼ同じ形状・仕様で白地に赤のラインを施したビエンナ(ウィーン)という商品もありますが、日本では往年のサッカー選手 皇帝ベッケンバウアーが、トレーニング用に採用したことから 圧倒的にローマの方に人気があります。

f:id:sechimo_getao:20191104142827j:image

 以前にも記載しましたが、シューレースはニューバランスで販売されているものに交換してあります。上の写真は敢えて標準で付属しているシューレースで撮影しましたが、どうもアディダス商品の標準シューレースが 長すぎ、更に“パンツのゴム紐”に見えてしまうのですが、今の若い人にはわかりづらいらしくジェネレーションギャップを感じます。ww

f:id:sechimo_getao:20191104142513j:image

 カントリーと比較してみると確かに似ていますが、カントリーの方はクロスカントリー・ランニング用とデザインに明確な方向性が見られ、一方ローマは多目的な使用を考えて作られており、それは履き心地にも差異が生じて カントリーよりも若干ルーズで楽な印象があります。

f:id:sechimo_getao:20191104142120j:image

 如何でしょう?カントリーの時に書いたスニーカーの色に関する私見について、このように並べてみることで多少はご理解頂けるのではないでしょうか?^ ^;

f:id:sechimo_getao:20191104142002j:image

 至って普通な佇まい、 体育館シューズみたいだしw、でもこの普通の感じを程よく醸し出すスニーカーって、意外にもなかなか無いのです。

 普通すぎて他人から評価されることが少ない、しかし解っている人は解ってくれ 時々だけど自尊心をくすぐられる、なんとも嫌らしいマニア心理を突くアイテムです。w

f:id:sechimo_getao:20191104141556j:image

 今年アディダス日本法人から復刻発売されましたが、何故かオリジナル色のロイヤルブルーではなく、カントリーに似たグリーンを配色したものとベージュの2種でした。

 ちなみにグリーンを配色したローマには 西ドイツ警察で採用され有名になったという経歴があり、それ以外にも幾つかの色違いのものが 様々なシチュエーションで採用され人気を博すなどの逸話を持つ面白いスニーカーですので、是非ネットなどで調べてみるのも面白いと思いますよ。

f:id:sechimo_getao:20191104141707j:image

 しかし私にとってのローマは、依然としてブルー一択ですのでw、今回は海外では復刻発売されていたロイヤルブルーの並行輸入品を購入するに至りました。

f:id:sechimo_getao:20191104142857j:image

 未だこのローマを履いてアディダスショップに行っていませんが、そんな嫌らしいことは流石の私でもちょっと戸惑いますよねー^ ^;

 って多分そのうち行くんだろうなぁと考えるだけでワクワクする小市民なせっちもでした。www

 

PS(2020.7)

 先日ついに幕張イオンモールにあるアディダスショップに履いて行きました。

 意識して履いていったわけではなかったのですが、かみさんと2人で立ち寄り 店頭にあったサンバを手に取って見ていたところ、ショップのお兄さんから「サンバ良いですよねー僕も好きです‥‥良いシューズ履いてますね!」と声をかけられ、はっ!とローマを履いていたことに気付かされました。

 かみさんからは「今日のノルマ達成だね!」とからかわれてしまい、そんな意識がなかっただけに、ちょっと気恥ずかしさを感じてしまいました。

 この青のローマってそれ以外にも、出張先で立ち寄った札幌市内のカジュアルなバーで、バーテンさんに気付かれ、居合わせた他のお客さんを含めて会話が盛り上がるなど、同じような経験を幾度も‥、ほんとうに街中で声をかけられることが多いんです。

 嬉しいような‥照れくさいような‥不思議なスニーカーです。