せっちも 徒然雑記

50代半ばの全然不惑じゃない道楽親父が、思い付いたことをただ徒然記するブログです。

一番の自慢だった‥‥ adidas SKATE made in france

 ずっと探しているスニーカーがあります。

 大学生の頃にアメ横の古着屋 ビートニクスで見つけて一瞬で虜になってしまったスニーカー。

 もう現行モデルにはなく、80年代にフランスで生産されたスニーカー‥‥その名はスケート!

 adidas SKATE made in france 

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 今でこそアディダスのサイトショップなどに、様々な形でスケートボーダー用のスニーカーがラインナップされています。

 しかしその殆どが、スタンスミスやスーパースター、キャンパス、ガゼルなどをベースに亜種的に生産されたものか、ネーミングがスケートボーディングとなっていて、ストリートカルチャーに合わせた味付け(デザイン)が施されたシリーズで、私が探しているものは独自に企画デザインされており、当時では珍しいスケートボーダー向けであると思われますが、表記がシュータン部に「SKATE」とだけ印字されたものです。

 上記写真はネットでやっと探し出したものですが、明らかに現行モデルにはないデザインです。

 写真ではわかりにくいですが、白地に施されていた赤が、若干蛍光かかったオレンジ色に近い赤色(朱色といった方が近いかも知れません。)で、異彩を放っています。

 目が覚めるようなこの赤色が、まさしくフランスの色彩感覚を表しており、まず日本やアメリカでは見かけない色なんです。

 前回 私がディスプレイ業界に従事していたことを書きましたが、その契機は学生時代にアルバイト先で知り合った先輩に影響を受けて、広告関係の仕事を志すようになります。

 特にセールスプロモーション(SP)の世界に興味を持ち、店舗SPとしてディスプレイ業界に自身の進路を見出しました。

 専攻外でしたので独学で勉強を始め、その時も色彩感覚が国によって差異があることを学んだばかりでした。

 以前ソフトバンクが、PANTONEシリーズとして、カラフルな色彩の携帯電話を売り出したことがありますが、パントーンとは、フランスの「色」を開発している企業のことで、日本の大日本インキ(DIC)に相当し、私達日本人的な色彩感覚では、パントーンの各色サンプルの多くが中間色(パステルトーン)に見えるなど、明らかな感覚的差異があります。

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 同じアディダスでも 今ではその多くがビンテージ品として扱われているフランス製の個体に於いて、その配色された色彩に同様の微妙な差異が認められ、特に赤色にその傾向は顕著であると思います。

 しかしこれはフランス製に限らず アディダスのように、その時代ごとで世界中で生産されてきたものは、復刻する度に色味が違ってしまうことも、生産国国民の色彩感覚を知る上で興味をそそられます。

 前回紹介しましたアディダス ローマも、学生時代に購入したものはユーゴスラビア製で、今回新たに購入したものとは まるっきり別の個体であると考えた方が自然であり、コレクターとしての楽しみも倍増するような気がします。

 話が逸れました。w

 そのような最中に このSKATEと出会い、その目が覚めるような独特の赤色に魅せられてしまったことに、運命のようなものを感じたものでした。

 ビンテージ品などではなく、おそらく日本で正規販売されず販路のなかった当該品を、フランスで買い付けて店頭に並べたものと思われます。

 価格は当時のスニーカーとしては、古着屋に並ぶコンバースのビンテージ品と同等(ワンスターだけは別格で当時中古でも5万円くらいはしました。)くらいで、2万円を超える価格設定でした。

 学生にとっては高額ですし、今から30年以上も前のことですから、まさしく清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入したことを記憶しています。

 当時の私は 国内で何人も所有していないだろうSKATEを履いて、得意満面に意気揚々と街に出掛けていました。^ ^;

 思惑どおりw 友人や古着屋の店員さんなどは、この赤色に気付いて問い掛けてくることが多く、私の人生の中でも一番の自慢のスニーカーであったことは間違いありません。

 結局はボロボロになるまで履き潰してしまいましたが、惜しいことをしたと今でも時折思い出しては悔やんでいます。

 極めてマイナーなスニーカーですから復刻なんて期待できませんし、仮にしたとしてもあの赤色が再現できるとも思えません。

 でも当時の懐かしい思い出として せめて写真だけでもと考え、ずっとネット上で探していたのですが、現在迄に探し当てたのは なんと上記の写真を含めてわずかに2枚だけです。

 最初に探し当てた写真は、熱心なコレクターの方が紹介記事をアップしたもので もっと鮮明な写真だったのですが、その後サイトが閉鎖されてしまい、画像保存をしていなかったことを悔やみ、その後も現在に至るまでずっと探し続けて、やっとの想いで冒頭の写真を、終了したオークション画像から見つけ出したことが、今回の記事を書く契機となりました。

 昔はスニーカーコレクターというと、アディダスコレクターを指すことが多く、芸能界では 故 鈴木ヒロミツ氏(グループサウンズ時代に活躍し、古着コレクターでもあり、アメカジに於けるファッションリーダー的な存在でした。)が有名でした。

 アディダスは世界中で独自の企画で生産されたレアなスニーカーが多く、私自身も20代の頃 香港でちょっと紛いものっぽい珍しいエアロビクス用のスニーカーを見つけて購入した経験がありますが、本題のSKATEもきっとそのような位置付けのスニーカーだったのだと思います。

 人にとって色彩が如何に影響を及ぼし、更には文化・国民性の構成要素になり得るかということに想いを馳せ、以上 私の青春時代のスニーカーにまつわる思い出話でした。😌

-2020.2.9 追記-

 インスタグラムで、海外のコレクターの方がアップした画像を見つけました。

 興味のある方は是非“diggerdas”で検索してみてください。

 改めて白地に赤のラインを施したスニーカーでは、アディダスは元より過去に生産された全てのメーカーのスニーカーの中でも、圧倒的なデザインバランスを有する秀作であると思います。