せっちも 徒然雑記

50代半ばの全然不惑じゃない道楽親父が、思い付いたことをただ徒然記するブログです。

ヘリテージ・デザインについての考察 adidas SL 72

 2014年からスタートした「adidas Spezial(スペツィアル)」、アディダスの長い歴史のなかに眠る膨大な資料を参考に、過去のレアモデルを中心にモダンな解釈でアイテムを復刻、ハイブリッドを行うスペシャルラインだそうです。

 その流れから現在のアディダスに於けるマーチャンダイジングの方向性の一つとして、ヘリテージ嗜好の強い復刻品が随時リリースされており、今回は「SL 72」と「SL 80」が 復刻発売されました。

 adidas SL 72

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 SLとはスーパーライト(超軽量)の略称で、“72”はミュンヘン・オリンピック開催年である1972年に由来し、その後のSL 76(モントリオール・オリンピック:1976年)、SL 80(モスクワ・オリンピック:1980年)へと続く人気シリーズとなります。

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 中でもSL 72のシンプルなデザインが好きなのですが、それ以上にミュンヘン・オリンピックというワードに特別な想いのあるスニーカーでもあります。

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 高校生の時の担任の先生が、レスリングでミュンヘン・オリンピックに出場した経歴のある体育の先生(ウルトラヘビー級で6位入賞しており、往年のプロレス選手で大ファンだった 同じミュンヘン・オリンピックに出場した 故ジャンボ鶴田選手の先輩にあたります。)で、自身がラグビー部に所属していたこともあって 随分手荒に可愛がって頂きました。w

 故 ジャンボ鶴田選手(2000年 5月 49歳没)

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 ウエイトトレーニング等でレスリング部室内の機材を借りに行くのですが、ある時ふざけて先生とのスパーリングを買って出たことがあり、あえなくヘッドロックを決められ、本物のヘッドロックとは ただ力任せで締め上げるのではなく 脳への血液の循環を止める急所を狙った恐ろしい技なんだと、遠退く意識の中で驚愕したことを鮮明に覚えています。ww

 ちょっと怖い先生でしたが、非常に面倒見が良く、又一つのことを極めた者にしか理解できないことや、オリンピック選手ならではの経験談を面白おかしく聞かせて下さり、それらは現在に至る迄の私の人生に於いて、非常に意義の有るものとして活かされ続けています。

 SL 72は私にとっては、その先生を想い返し 更にはある種の人生訓的オマージュとしての存在でもあるのです。

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 写真にお気付きの方もいるかと思いますが、SL 72にインソールを入れて有ります。

 70年代のスニーカーの為、クッション性能に限界があることから、100円ショップで販売されている薄目のカップインインソールを入れるだけでも、劇的に履き心地が良くなります。

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 実はSLシリーズに限らず、アッパーにナイロン素材を使用した、チーピー?な雰囲気のスニーカーも好きだったりするんです。w

 アラフィフを迎え 最近ではもっぱら膝痛などの予防からクッション性やフォールド感を重視していますが、軽いスニーカーってそれだけで心地が良いもので、アディダスのSLシリーズ、ナイキならコルテッツ、ニューバランスだったらM320あたりの 軽くて足元が小さくスッキリと見えるスニーカーを 30代から40代にかけて良く愛用し、価格も比較的リーズナブルなことから 気兼ねなくデイリーユースとして履き潰してきました。

 NIKE CORTEZ(1972〜)

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 New Balance M320(1976〜)

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 因みにSL 72を含め上記で紹介したスニーカー達は、アディダスのトレフォイル(三つ葉ロゴマーク)、ナイキのスウッシュ(三日月みたいなデザインのロゴマーク)、ニューバランスの“N”のロゴマークが、それぞれ初めて採用されたとされる記念すべきモデル達でもあり、70年台初頭の欧米企業間にみられた CI(コーポレート・アイデンティティ)の変革を象徴することに 大変興味を唆られます。

 又これら70年代にリリースされたスニーカー群は、衝撃吸収材などの素材開発が 充分ではなかった時代背景から、どのメーカーも軽さに重点を置いた商品企画がなされた時代でもあり、特にランニング用スニーカーの多くに見られる 軽量化の為に極限まで余計なものが削ぎ落とされたデザインに、スニーカーの本来あるべき姿を垣間見ることができると思います。

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 靴ってお洒落以前に、健全に歩く為の道具です。それがスニーカーなら尚更、科学的・物理的に 日常の「歩く」「走る」といった運動行為をサポートする存在であるべきです。

 したがってスニーカーの美しさとは機能美以外の何ものでもなく、歴代の名作と言われたスニーカー達は皆、その時代ごとに考え得る最高・最先端の技術や素材が導入され、生産・開発者(職人)などにより極限まで余計なものを削ぎ落とされ考え抜かれたデザイン、更にはその使用目的を最大限に考慮して作られてきたものだから、時を経ても普遍的な美しさを維持し、現在に至るまで ずっと変わらぬ人気を博してきたものと考えられます。

 まさしく常に速く走ることだけを追求し、その時代時代の最高水準のテクノロジーと、軽量化を図る上での最先端素材の導入、究極のエアロダイナミクスデザインの研究などが図られてきたが故に、クラシックカーと呼ばれる域に達した現代でも尚、眩しいばかりの光を放ち続けるフェラーリランボルギーニスーパーカー達に通ずる美しさや開発の歴史に裏付けされた付加価値の方向性が、同一線上にあると結論付けることができます。(ちょっと大袈裟?w)

 Ferrari 365GT4 BB(1973〜1981)

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 Lamborghini Miura P400S(1966〜1973)

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 ですからいくらヘリテージ・レトロなデザインのものが好きだといっても、安易な暫時的売上を目的とした懐古的コンセプトの基で、意図的にレトロなデザインや技術が採用され 商品化されたものには、スニーカーに限らず美しさを感じることができず、更に最近流行りのダッドスニーカー的な考え方は、そもそもネーミングからして残念ながら私には受け入れられません。(あれ?歳とった?w)

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 今回 少し早い自分へのクリスマスプレゼントとしてSL 72を購入しましたがw、これから更に寒さが厳しくなる季節では、暫くの間 デビューはお預けになりそうです。^ ^;

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 当面はブラッシングでもしながら眺めて過ごし、春が来て暖かくなったら 最初は何処に履いて行こうかなと、考えるだけでも充分楽しめちゃう 極めてリーズナブルな道楽オヤジのせっちもです。😙

-PS-

 記事を書きながら 今回紹介しましたNIKE CORTEZ、New Balance M320が、無性に欲しくなってしまいました。

 どーしよう この止まらない物欲‥😅(不惑不惑‥‥)