せっちも 徒然雑記

50代半ばの全然不惑じゃない道楽親父が、思い付いたことをただ徒然記するブログです。

オトコはキッシュをたべない

 前回の記事の最後の方で、でリンダ・ロンシュタットの「グレイテスト・ヒッツ・ボリューム2」の話に触れましたが、今日は少しだけ補足を…

 私が小学高学年から中学入学間もない頃は、洋楽が全盛期の時代でした。

 思春期にあった私たちは、当然、海外のどの女性アーティストが好みかを、競うように話し合ったものでした。

 当時は、圧倒的にオリビアニュートンジョン人気が占めていましたが、私はいかにも“アメリカじゃじゃ馬娘”なイメージのリンダ・ロンシュタットに、すっかり夢中になっていました。

 リンダ・ロンシュタットのファンは、友人間では少数派であったことから、みんなには内緒で、アメリカ西海岸の青い空を思い浮かべながら、こっそり聴いていた想い出があります。

 数あるアルバムの中で、特にお気に入りだったのが、「グレイテスト・ヒッツ・ボリューム2」というベスト盤でしたが、この中に収められている楽曲から、さらに洋楽の世界へ引き込まれるようになります。

f:id:sechimo_getao:20221001233042j:image

 例として、9曲目の「ダイスを転がせ(Tumbling Dice)」などは、ローリング・ストーンズの代表曲のひとつで、ミック・ジャガーから、「君はもっとロックを歌うべきだ」と贈られた曲だそうで、ストーンズ版、リンダ版に限らず、今でも私のテーマ曲?のひとつとなっています。

 さらには、当時のリンダのバックを、私が特に好きである、70年代ウエストコーストロックの金字塔「ホテル・カルフォルニア」のイーグルスのメンバーが務めていたことなど、私の青春時代の音楽には、リンダ・ロンシュタットは欠くことができない存在だったのです。

f:id:sechimo_getao:20221001151326j:image

 それからずっと時を経て、大学を卒業して働き始め、新しい環境に馴染めず、失恋も相まって、落ち込みがちだった時に出逢った本が、ブルース・フェアスタイン著、嵐山光三郎 訳の「オトコはキッシュをたべない」でした。

f:id:sechimo_getao:20221001144708g:image

 本書は、コラムというよりは、ただオトコとしての想いの丈を徒然に書き殴ったような本で、著作者が日常的にオトコとして経験したであろう理不尽な想いを、オトコ目線で吹っ飛ばしてやる、といった爽快なものです。

f:id:sechimo_getao:20221001144652j:image

 冒頭から「オトコは○○をしない」「オトコは○○をする」といったことが、延々と書き綴られているだけの本ですが、読み進む程に、「なんて些細なことで悩んでいたんだろう」「こんなことは本当のオトコが悩むべきことではない」と思えてきて、「オトコは他人がどう評価しようが、信念を貫くことこそが大切」「そのためには、オトコとしてのこだわりだって良しとするべき」「所詮オンナにはわからないし、わかられるほど底浅くない」と、ずいぶん身勝手な論調ですが、当時はずいぶん元気を貰い助けられたことを思い出します。

 その中に「本当のオトコは、リンダ・ロンシュタットのグレイテスト・ヒッツ・ボリューム2を必ず持っている」というくだりがあり、自分に重ねてひとりで大笑いしたものです。

 著作者のブルース・フェアスタインさんは、映画007シリーズの脚本家として著名な方ですが、きっとハリウッドのショービジネス界で受けたであろう、理不尽な想いを消化するために執筆したのかなと勝手に想像を掻き立てています。

 いずれにしても、本著が私に及ぼした影響は大きく、生来の保守的性分も相まって、オトコとしてのこだわり(のつもり?)が、さらに顕著化してしまい、「腕時計は、どんな時計もNATOベルトに替えるのが粋」「オーデコロンは、20代からずっとポーチュガル 一筋で、タバコと汗の匂いに相性が抜群」「ジーンズは、学生時代から赤耳(セルビッジ)」なんて、他人からしたらどうでも良い、オトコらしい おバカなこだわりを今に至るまで貫いています🤒

 以上、ふと蘇った、昔読んだ本の記憶でした。